<<春 告 魚>>
「米のとき汁とっといて・・・・」
後で使うよ!っと言って春告魚
別名「鰊」の仕込みに取り掛かりましょう。
干した鰊を米のとぎ汁で何度も茹でこぼしてやわらかくなったら、
真っ赤に熱した鉄棒をとぎ汁の中に...
一気にとぎ汁が沸き鰊の臭みを飛ばしてくれる。
先人の知恵は素晴らしい。さぁ下ごしらえが出来ました。
後は鍋に昆布と出汁たっぷりの酒を効かせてこっくりと砂糖と醤油を挿して、
好みの味に仕立てましょう。それからもう一つ。
この時期産卵の為に沿岸に集まる鰊をお刺身にこしらえるのです。
でもうちの鰊は海ではなく、
淡水の入り混じる長面浦に入ってくる鰊で「こまぶり」を作ります。
油が程よくのった鰊を三枚に卸し、骨を抜き細引いて、
酒煎りにした鰊の子をそれと和え、
山葵と塩昆、加減した煎り酒で供するつもりです。
あぁこんな美味しい食材があったのか...
この特別な鰊を探して下さった女将に感謝し、
お客様に一時も早く食べて頂きたい思いでいっぱいであります。
旬の味十四郎
料理長 後藤 康宏